憧れの【ウォークインクローゼット】を設置する際に知っておきたいこと

2021.08.01

憧れの【ウォークインクローゼット】を設置する際に知っておきたいこと

間取り図上でよく見かける「WIC」の文字。これは何を表しているかご存知ですか? そう、ウォークインクローゼットですよね。新築の注文住宅においても、今や標準的な間取りのひとつと言えるほど人気の間取りです。そこで今回は【ウォークインクローゼットを設置する際に知っておきたいこと】についてまとめていきます。ウォークインクローゼットの基本的なタイプから、メリット&デメリット、設置する際に注意したいこと…など、ざっくばらんに解説していきますよ♪

記事サマリ

ウォークインクローゼットの基本的なタイプ

ウォークインクローゼットとは、その名の通り「人が歩ける収納スペース」のこと。つまり、押入れなどの一般的な収納と比べ、広めのスペースが必要となります。ここでは用途に合わせて、代表的な3つのタイプのウォーキングクローゼットをご紹介。それぞれの特徴を覚えていきましょう!

● 全面収納タイプ

ウォークインクローゼットのすべての壁面スペースに収納棚などを配したタイプです。棚のバリエーションを増やすことで、洋服や小物だけでなく、大きな物もすっきり収めることができます。ウォークインクローゼット用に広めのスペースを確保できる場合は、このような高い収納力を持つタイプがおすすめです。

● ハンガーメインタイプ

壁面にハンガーパイプを設置するタイプで、主に衣類の収納に効果的です。全面収納タイプと比べて設置費用が安く、狭いスペースでも導入しやすいのがポイントです。デメリットとしては、大きな物を収納したり、靴やバッグなどの小物を収納するにはあまり適していないところです。

 ユニット棚タイプ

大小のユニットキャビネットを壁面に取り付けるタイプです。用途や好みに応じて棚板や収納ボックスを組み合わせることで、さまざまな物を収納することができます。また、ユニットキャビネットは大型家具店でも豊富に取り揃えていますので、お気に入りのキャビネットを購入して自分で取り付けることもできます。

ウォークインクローゼットがオススメな人

ウォークインクローゼットが必要かどうかは、生活スタイルや入居人数によって異なりますが、下記のような特徴がある人にオススメです。

・荷物が多い人

・収納する場所をまとめたい人

・入居人数が二人以上

以下、詳しく説明します。

荷物が多い人

荷物が多い人衣類や大きい荷物が多い人は、ウォークインクローゼットがおすすめ。
多くの衣類をハンガーに掛けて保管できますし、収納ボックスを活用することで、色々な荷物が収納可能となります。

収納する場所をまとめたい人

家族の衣類などを各部屋に収納するよりも、1箇所にまとめた方が洗濯後の片付けの手間が省けるため、ウォークインクローゼットがあると便利。
また、小さいお子さんがいるご家庭にもおすすめで、お子さんの着替えと自分自身の準備が同時にできるというメリットもあります。

入居人数が二人以上

1人分ならクローゼットで十分ですが、2人以上で暮らしている場合は、人数分の衣類などを整理して保管できるため、ウォークインクローゼットがあると便利です。

ウォークインクローゼットのメリット&デメリット

続いて、ウォークインクローゼットのメリット&デメリットをあげていきます。一覧にまとめると下記の表になります。

メリットデメリット
たくさんの物が収納できる広めのスペースが必要になる
スーツケースなどの大きな物が置ける通路がデットスペースになる
着替えやコーディネートができる整理しないとモノが溢れてしまう
衣替えが不要になる
来客時に収納スペースを隠すことができる
ウォークインクローゼットのメリット・デメリット

以下、詳しく解説します。

【メリット

たくさんの物が収納できる!

広く設けられた収納スペースなので、さまざまな物を収納できます。洋服や靴はもちろんのこと、消耗品などのストック品、ひな飾りやクリスマスグッズなどの季節の物まで、何でも収納しておけるのがメリットです。

スーツケースなどの大きな物が置ける

一般的な収納では収まらない大きなサイズの物も楽々収納することができます。例えば、スーツケースや季節ものの家電(扇風機や灯油ヒーターなど)、布団や毛布などですね。通路があるので、押入れなどに比べて出し入れがしやすいというのもメリットだと言えます。

着替えやコーディネートができる

衣類収納をメインとするウォークインクローゼットであれば、クローゼット内で着替えやコーディネートを行うことができます。通常なら、洋服はタンス、靴は玄関、バッグは押入れ…と、物がバラバラに置かれていることが多いと思うので、移動の手間を省けるわけです。着替えスペースや大きな鏡を設置しておけば「今日は何着ていこう?」がまるっと完結できます。

衣替えが不要になる

次も衣類収納がメインの場合。夏物・冬物関係なく持っている衣類をすべて収納できるので、季節の変わり目に衣替えをする必要がなくなります(結構大変なんですよね)。ママさんの衣類だけでなく、子どもたちの衣類もまとめて収納できれば、こんなに便利なことはありませんよね。

来客時に収納スペースを隠すことができる

ウォークインクローゼットの扉を閉めれば、来客時に収納スペースを隠すことができます。リビングが散らかっていたとしても、とりあえずウォークインクローゼット内に収納してしまえば、お客様の目に入ることもないので、慌てず対応ができます。ただし、扉のないパターンもありますので注意しましょう。

【デメリット】

広めのスペースが必要になる

前述の通り、ウォークインクローゼットを設置する場合は、ある程度のスペースが必要となります。無理してウォークインクローゼットを設置したことで「他の部屋が狭くなってしまった…」なんてことにならないよう、家の広さや間取りを考えて導入を検討してみてください。一般的な収納で事足りるようであれば、わざわざウォークインクローゼットにする必要はないかもしれませんよ。

通路がデッドスペースになる

「収納スペース内に通路がある」というのがウォークインクローゼットの特徴ですよね。通路というのは人が行き来するスペースですから、原則として物を置くことはありません。酷な言い方をすれば「ただ人が通るだけのスペース」ですので、考え方にもよりますが、結構もったいないデッドスペース…と捉えることもできます。

整理しないとモノが溢れかえる

ウォークインクローゼットにやみくもにモノを詰め込んでしまうと、物置状態になってしまう恐れがあります。また、窓がないウォークインクローゼットも少なくないため、物をたくさん置くと通気性が悪くなり、カビや害虫発生の原因に繋がります。

こまめな換気や整理整頓を常に心がけ、清潔な状態を保っておかなければ、ウォークインクローゼットとして機能しない状態になり得る点、注意が必要です。

いざ、ウォークインクローゼットを設置!

基本的なタイプやメリット&デメリットを知った上で、いざ「ウォークインクローゼットをつくろう!」という決断ができたと思います(「やっぱ、やめよう…」という方、ごめんなさい)。続いては、実際にウォーキングクローゼットを設置する際に知っておきたい情報注意点をいくつかあげていきます。以下を参考にして、後悔のないウォーキングクローゼットの実現に近づけていってください!

「どのくらいの広さが必要?」

ウォークインクローゼットを設置するには、ある程度の広さが必要であることはおわかりになりましたよね? では、実際にどのくらいの広さが必要なのでしょうか? 一般的には「住む人の人数×畳」で計算されることが多いようです。つまり、2人家族であれば2畳分のスペース、4人家族であれば4畳もしくは、2畳を2ヵ所というイメージです。このくらいの広さがあれば、ウォークインクローゼットとして十分な収納力と通路幅を確保することができます。

畳数によって収納できる衣類の目安は下記の通りです。畳数と収納量を参考に、どのくらいの広さがいいのかの参考にしてください。

畳数収納量
2畳約150~200着
3畳約250~300着
4畳約400着
畳数と収納量

とは言え、広いスペースが取れないからとあきらめてはいけません。例えば、壁の片側にだけ収納棚を設置するタイプにしたり、ウォークインクローゼットをコの字やL字型にすることで、小さなスペースでも設置が可能になる場合があります。限られたスペースで収納スペースを作りだすのも注文住宅での建築家の腕の見せ所。ARRCHでは家づくりの際にライフスタイルなどをお聞きしながら最適な空間づくりを提案いたしますのでご安心ください。

「どこに設置するのがおすすめ?」

ウォークインクローゼットの設置場所で一番おすすめなのは、寝室に直結した場所です。衣類をはじめ、プライベートな物を収納するスペースですので、来客などから見えにくい寝室付近はウォークインクローゼットに最適! また、朝起きてすぐ着替えられるなど、機能面でも効果を発揮します。加えて、廊下に面したところに出入口をつくることで、家族みんなが使いやすいクローゼットになります。

「ウォークインクローゼットを使いやすくするには?」

ウォークインクローゼットは、常に使いやすい状態にしておくことが大切です。上手に収納する方法と空間をすっきりと見せるコツをご紹介します。

定位置を決める

「よく使うものは手の届きやすい場所」、「使用頻度が低いものは上部の棚」など、使用頻度に応じて収納の定位置を決めることで使い勝手が向上します。また、どこに何があるかも把握しやすくなります。
まずは、下記の様に分類して収納してみましょう。

場所収納するもの
上:枕棚<使用頻度の低いもの>
・カバン、帽子、手袋、マフラー、アクセサリー、紙袋など
・シーズンオフのもの
・小物類
は上部の棚にまとめて収納。
また、出し入れがしにくい場所となるため、出し入れする頻度が少ない、シーズンオフの衣類や布団などを収納するのもオススメです。
フタ付きのボックスに入れておけば、ホコリをかぶることなく収納できます。
中:ハンガーパイプ<使用頻度の高いもの、畳みジワを付けたくないもの>
・普段着る服
・コート、ジャケット、ワンピース、スカート、パンツ、ブラウス、セレモニー用の服など
使用頻度が高いものや畳みジワを付けたくないものは、掛ける収納が向いています。
衣類の長さを揃えることで、下のスペースを活用しやすくなります。
また、衣類の種類を分けたりカラー別にしたりすることで見栄えも良くなります。
下:収納ボックス<使用頻度が高く、畳んで収納できるもの>
・セーター、部屋着、下着、靴下、ハンカチなど
収納ボックスは、スペースに適したサイズや段数を設置できるため、収納するものによって選ぶことができます。

また、ウォークインクローゼットの空間の使いかたとして次の3点を考慮すると快適な使い勝手に繋がります。

手前と奥を使い分ける

一年を通して吊るしておく衣類については、シーズンものは手前、シーズンオフのものは奥に収納することで使い勝手が良くなります。
また、定期的に入れ替えることで、所有している衣類を把握したり、不要なものを処分するきっかけにもなります。

詰め込みすぎない

ウォークインクローゼット内を整頓された状態に保つには、収納量を7~8割くらいに留めることが重要。
スペースに余裕をもたせることで、よりウォークインクローゼットが使いやすくなります。
また、衣類が傷んでしまわないように、風通しを良くしておくことも大切です。

動線を確保する

収納ボックスやタンスを設置する場合、衣類を取り出すときのスペースを確保するようにしましょう。
ある程度の広さがないと、引き出しを開けた際に通路が塞がってしまうため、使い勝手が悪くなります。
引き出しを開けるスペースがない場合は、扉のない収納棚を選ぶようにしましょう。

「換気や照明、コンセントはどうする?」

ウォークインクローゼットをより快適にするために、忘れてはいけない設備があります。それが、換気・照明・コンセントです。

換気に関しては、何となくイメージしやすいですよね? ウォークインクローゼットは閉ざされた空間になりがちですので、日当りが悪かったり、湿気がこもりやすくなります。そうなると、せっかくの大切な洋服が傷んでしまうことも…。ですので、できるだけ湿気がこもらない場所に設置したり、換気窓などを取り付けるなどしておく必要があります。

続いては照明。こちらも当たり前ですが、ウォークインクローゼット内には照明は必要です。“人が通れる広めの押入れ”みたいなものですからね。注意したいのは、照明の位置。あまりに衣類などの近くに照明があると、熱によって衣類にダメージを与えたり、最悪の場合、火災のリスクも考えられます。

最後にコンセントです。クローゼット内でアイロンやズボンプレッサーなどを使用することを想定していますか? であるなら、コンセントは必須です。どこで、どのような作業をするかを事前にしっかりイメージして、コンセントの位置や数を検討してみてください。

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いかがでしたか? ウォークインクローゼットのポイントについて深く知ることができたでしょうか? 総括して言えることは、単なる憧れだけで「ウォークインクローゼットが欲しい!」というのは避けた方が良いということ。実際の収納力だけで比べてみると、一般的な収納とウォークインクローゼットではそこまで大差がなかったりしますからね。

まずは「何を収納したいのか?」「どのような使い方をしたいのか?」をしっかり考えることからスタートしていきましょう。その上で、どこに、どのくらいの広さで設置するのかを検討してみてくださいね。