子育て世代にも大人気! ブーム真っ只中の【平屋】ってどうなの?

2022.12.10

子育て世代にも大人気! ブーム真っ只中の【平屋】ってどうなの?

「昔ながらの日本家屋」というイメージだった平屋が、すっかり様変わりしています。住宅メーカーや工務店から次々とデザイン性の高い平屋が登場し、気付けば「平屋ブーム」と呼ばれるほど、20~40代の子育て世代から人気を博しています。

家族とのつながりを大切にしたい、老後のことも考えて家を建てたい、費用が抑えられるから、シンプルな暮らしをしたいから…などなど、さまざまなメリットから選ばれている平屋。一時期は「割高になる」「土地が広くないとできない」といった言われ方もされましたが、そんなロジックも平屋の目覚ましい進化によってすっかり解消されてきたように思います。

ということで今回は、ARRCHでも年々問い合わせが増えている【平屋】についてご紹介。メリットや建てる際の注意点などをまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください!

なぜ平屋が選ばれるのか?

まずはババッと平屋が選ばれる理由=メリットについてご紹介していきます♪

「階段がない」という暮らしやすさ

平屋とは簡単に言うと「1階建て住宅」のこと。つまり、階段がありません(当然ですが)。そのため、生活やすべての家事をワンフロアで済ませることができるというのが、最大のメリットとなります。

階段の昇り降りが排除されるだけで、日々の過ごしやすさがかなり変わりますし、家事動線の無駄もなくすことができますよね。また、階段がないということは、高齢になっても無理なく暮らすことができます。家庭内で起こる不慮の事故死の原因の約20%が転落死だと言われていますので、その危険を下げることにもつながります。

家族とのコミュニケーションが深まる

平屋は2階建て住宅に比べ、家族との距離が近くなると言われています。自然とリビングに人が集まってくるような間取りになりますし、トイレや洗面所がひとつで良いので、家族が頻繁に顔を合わせる機会も多くなります。また、お子さんが2階の自室に引きこもるといった心配も少なくなりますよね。平屋なら、どこに誰がいるのかをつねに把握しやすいので、家族とのコミュニケーションが深まりやすくなるんですね。

間取りやデザインの自由度が高くなる

平屋は上の階の重みが加わらないため、2階建て住宅よりも柱が少なくて済みます。そのため、柱数を抑えた広々としたリビングを実現できたり、大胆な勾配天井で開放感のある空間に仕上げたりすることが可能になります。ロフトを作ったり、屋根裏収納スペースも人気で、窓の大きさや位置などもかなり自由度が高くなりますよ。部屋と部屋との距離が近くなるので、生活動線や家事動線を考える際に頭を悩ますことが少ないのも良い面です。

さらに、上の階がないことで、複雑な設計がしやすいというのもメリットと言えます。建物の形状を「コの字型」や「ロの字型」にして、中庭を設ける方が多いのも平屋ならではの特徴と言えます。草花を育てたり、読書をしたり、ハンモックでお昼寝したり、洗濯物を干したり…。生活空間のすぐ近くにある中庭スペースは、今や平屋を建てる人の必須といっても過言ではないほど人気です。

横揺れが最小限になるなど、耐震性が高い

平屋は耐震性が高い建物と言われています。耐震性を考える上で大切なのは「重心の高さ」と「家の重さ」なのですが、平屋は重心が低く、上層階の重みが加わらないということで、地震の際の横揺れを最小限にできるそうです。浜松市周辺はつねに大地震の危険にさらされていますので、地震に強いというのは、なくてはならないメリットですね。

総工事費やメンテナンス費が安くなる

一般的に言われてきた「平屋は割高になる」というのは、坪単価についてのお話です。屋根や基礎を2つのフロアで共有する2階建て住宅と比べると、当然「平屋は坪単価が高くなるよね」ということですね。しかし、総工事費で見てみると、階段や廊下を含めた2階部分を作る必要がありませんし、トイレや洗面所はひとつでOKなど、2階建て住宅よりかなり安くなる場合も少なくありません。メンテナンス費用に関しては、間違いなく平屋が有利です。平屋は構造がシンプルということもあり、10~20年後のメンテナンス費用を大幅に抑えることができます。例えば、屋根や外壁塗装の際に、高い足場を組む必要がなかったりしますから(足場代の節約)。

平屋を建てる際の注意点

何だかここまで読むと「平屋最高じゃん!」と思われるかもしれませんね(笑)。ただ、もちろん平屋ならではのデメリットもあります。ここでは、そんなデメリットをお伝えしながら、解消するために工夫したい「平屋を建てる際の注意点」についてピックアップしていきますね♪

平屋が建てられる土地かどうか?

これはあくまで目安ですが、国土交通省が定める「住生活基本計画」によると、健康で文化的な住生活を営むのに必要な住面積というのは「10㎡×世帯数+10㎡」(2人以上の世帯)とされています。つまり、4人家族だと最低でも50㎡以上が必要ということです。生活する上で欠かせないすべての部屋・設備などをワンフロアに収めるためには、ある程度の土地の広さがないとダメだということですね。平屋を検討する際に真っ先に考えておきたい項目です。

洗濯など物干しスペースをどうするか?

平屋にはベランダやバルコニーがありませんので、必然的に「屋外で物干しをする」ことになります。解決法としましては、中庭スペースで物干しができるようにしたり、テラスのようなスペースを設けて物干しスペースにしたり(プライバシーを守るため目隠しになるような設計がおすすめ)というのが考えられます。また、室内にサンルームも設ける方も多く見受けられますね。

風通し・採光の良い平屋を考えよう

平屋の間取りを考える際、あまりにも内部に仕切られた個室や壁を作ってしまうと、風通しが悪くなり、圧迫感のある住まいとなってしまいます。平屋の良さは、柱や壁の少ない開放的な空間です。寝室や書斎など、プライベートを確保したい個室は最小限にし、窓の位置や大きさなども考慮して、スムーズに空気の循環ができる平屋を目指していきましょう。

また平屋は、建物中心部への採光が難しくなる傾向にあります。解決策としましては、建物の形状を「コの字型」や「ロの字型」にしたり、建物の内側にも採光のための窓を設置するのがおすすめです。

水害への備えはどうするか?

平屋の大きなデメリットです。記録的な豪雨などで浸水してしまった場合、平屋だとすべての部屋が水浸しになってしまいます。2階に避難するといった選択肢もありませんしね。

自然災害というのはいつどのように起こるかわからないので難しいところではありますが、解決法としては、海抜の低い土地は避ける、基礎を高くする、防水性のある塀で建物を囲むなどが考えられます。

防犯面・プライバシーの確保は?

寝室や子ども部屋まで1階になるので、どうしても防犯面に不安が出てしまいますよね。防犯カメラ、防犯ガラス、センサーライトなどを取り付けることで、防犯対策への意識を高めていきましょう。また、住宅密集地などに平屋を建てる場合、隣接する建物からプライバシーを確保することも大きなミッションとなります。特に大きめの窓を設置してしまうと、外から部屋が丸見えだったり、隣家の2階から見下ろされるストレスなんかも出てきます。

ひとまず、カーテンやブラインドの設置は必須。加えて、窓の大きさや位置、軒の深さをしっかり計算する、周囲の環境に配慮した間取りを工夫するなどを考えておきましょう!

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 以上、平屋のメリットと「建てる際の注意点」についてまとめていきました。デメリットもいくつかありましたが、さまざまな工夫をすることで、解決につながることがおわかりいただけたのではないでしょうか? 

ただ、ここで強くお伝えしたいのは、決して「2階建て(3階立て)がダメ」と言っているわけではないということです。「平屋がブームだから」と安易に決めてしまうことは絶対にしないでくださいね。ご家族の生活スタイルや生活環境、建てる土地の大きさ・形状、周囲の環境などもしっかり考慮した上で、平屋にするのかどうかの選択をしていかれるのをおすすめします。