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はじめに

「洗練されたホテルライクな空間で暮らしたい」
「生活感をなくして、いつでも美しい状態を保ちたい」 そのような憧れを抱いていませんか。
理想の空間を実現し、その美しさを維持するためには、収納をただ「増やす」のではなく【引き算】の視点で考えることが重要になります。
間取りの工夫と動線の整理によって、生活感を徹底的に排除し、憧れのホテルライクな暮らしを叶える収納術を解説します。
【この記事を読むとわかること】
・ホテルライクなリビングを作るための「引き算の収納術」
・生活感をなくす寝室の作り方と、最適な衣類の収納場所
・自然と部屋が片付く「2way動線」のアイデア
・スマートフォンの充電コードなど、細かな生活感を消す工夫
ー 本コラムの解説者(建築家)ー

今回、家づくりのヒントを解説するのは、ARRCHの建築家・石澤光宏。石澤はこれまで数多くの住宅設計を手掛け、それぞれの家族の理想を形にしてきました。特に、家の見た目の美しさと、日々の暮らしやすさ、建築にかかるお金のバランスを取る設計を得意としています。「家を建てた後の暮らしも豊かであってほしい」という願いから、無理のない予算で質の高い家を建てるための知恵を、本コラムで詳しく解説します。
ホテルライクなリビングを作るには?見せる収納は作らない

ホテルライクな空間とは、日用品や不要な装飾が視界に入らない、すっきりと洗練されたインテリアスタイルのことを指します。
この空間を実現するためには、リビング内に過剰な収納を作らないことが鉄則です。
最近の設計では、リビングに「見せる棚」を作ることはほとんどありません。観葉植物などを置く棚に限られます。
なぜリビングに生活感が出てしまうのか?

リビングに生活感が出る最大の原因は、物の行き先が決まっていないことと、収納する場所がないことです。
玄関を入ってすぐにリビングがある間取りの場合、帰宅してすぐに上着やカバンをソファなどに置いてしまいがちです。人間は楽な道を選ぶため、置き場がなければ一番近いリビングに物を持ち込んでしまいます。
ホテルライクを目指す人が陥りがちな罠 デザインを重視して「LDK全体から収納を減らす」と、水回りやファミクロなど遠い場所にしか収納がなくなり、かえってリビングが散らかりやすくなります。
綺麗に保つ秘訣は「すぐ近く」の隠す収納 ホテルライクにしたい人ほど、リビング近辺の収納量には気を配りましょう。リビング内に収納を作らない代わりに、ダイニングやキッチン周辺、TVの背面など、意匠を損ねない場所に日用品の定位置を作ることが、リビングをスッキリ保つ秘訣です。
日用品(薬や文房具)の収納場所

とはいえ、救急箱やセロテープ、耳かきなどの日用品はリビング周辺で使う機会が多いものです。これらは、生活感を出さないために見えづらい場所に収納します。
テレビボードに引き出しをつける設計も減っており、ダイニングやキッチンの裏側を活用して収納を確保することで、すっきりとした視界を保ちます。
寝室をホテルライクに保つには?「寝るだけ」の空間にする

生活感を排除するためには、寝室の役割を明確に分けることが効果的です。
寝室に大きな収納を作らないメリット
寝室を「寝るだけ」の空間に徹することで、ホテルや旅館のような洗練された雰囲気を維持することができます。
ベッドルームに収納を作ってしまうと、ホテルライクになりづらいです。アイアンのバーが1本あるくらいで、そこに少し羽織るものをかけるのがおすすめです。
寝室にたくさんの服がかかっていると、どうしても見た目が雑然とします。見た目の美しさを重視し、寝室内の収納は最小限に留めます。
衣類はどこに収納するのか?

寝室に収納しない衣類は、すべてファミリークローゼットに集約します。 ファミリークローゼットは洋服だけでなく、多様な物を収納できる場所として活用できます。寝室からファミリークローゼットまでの距離を近づける間取りにすれば、生活の不便さもありません。
生活感を消すための「動線のシンプル化」
収納を正しく機能させるためには、動線の設計が最も重要になります。
玄関からリビングへの「2way動線」
2way動線とは、玄関からリビングへ直接向かうルートとは別に、洗面所や収納スペースを経由できるもう一つのルートのことです。リビングに物を持ち込ませないためには、この玄関からリビングへ直行しない動線を作ります。
帰宅後、ファミリークローゼットなどの「置き場」にカバンや上着を置き、洗面台で手を洗ってからリビングに入る流れを作ります。個人用のロッカーのようなスペースを設けることで、自然と美しい状態を保てる習慣が身につきます。
充電コードの指定席を作る

現代の暮らしで最も生活感が出やすいのが、スマートフォンの充電コードです。使う場所と収納する場所(充電する場所)が離れていると、コードがごちゃつく原因になります。
ダイニングのカウンターの上など、専用の充電スペースをあらかじめ決めておき、そこにコンセントを配置することで、配線のごちゃつきを防ぎます。
Q&Aセクション
Q. 収納面積はどれくらい必要ですか?
A. 一般的には延床面積の2割と言われていましたが、最近は1割程度にするケースも増えています。シューズクローク、パントリー、ファミリークローゼットなどを組み合わせて分散させることで、十分な収納量を確保できます。今の家にある収納量や物の量を事前に把握しておくことが大切です。
Q. おもちゃはどうやって収納すればいいですか?
A. 子供のおもちゃは生活感が出やすいアイテムです。リビングの景観を崩さないために、スタディースペースやちょっとした空きスペースをおもちゃ置き場として活用するのがおすすめです。将来的に使わなくなることも見据えて、柔軟に使えるスペースを確保しておきます。
Q. コンセントの位置はどう決めるべきですか?
A. 何をどこで充電するか(物の行き先)を事前に決めておくことが重要です。スマートフォンやタブレットなど、生活の中でどこで充電コードを使うかを想像し、使う場所のすぐ近くにコンセントを配置するように設計します。
まとめ

生活感を消し、ホテルライクな空間を保つためには、以下のポイントが重要です。
- リビングに見える棚を作らず、日用品は見えない場所にしまう。
- 寝室には大きなクローゼットを作らず、ファミリークローゼットを活用する。
- 帰宅時に荷物を置いてからリビングに入れる「2way動線」を作る。
家づくりにおいて、自分が何を持っていて、どこにしまいたいかをしっかりと把握することが、美しい空間を維持する第一歩となります。
記事要約
生活感のないホテルライクな空間を実現するためのポイントは「引き算の収納術」です。具体的には以下の工夫を取り入れます。
- リビング:過剰な棚や扉を作らず、見せる収納は原則つくらない。
- 寝室: 大きなクローゼットを設けず「寝るだけ」の空間に徹し、衣類はファミリークローゼットに集約させる
- 動線: 玄関から直接リビングに入らず、収納を経由する2way動線を取り入れる
これらを意識することで、自然と美しい状態を保てるシンプルな暮らしが実現します。
ARRCHでは、一人ひとりのライフスタイルや持ち物の量に合わせた、最適な収納計画と動線をご提案しています。