2026.01.29

デザイン コラム 間取り

【プロが解説】ヌックの費用と広さの正解は?メリット・デメリットと失敗しない設計ガイド

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ヌックは必要か?導入して後悔しないための結論

【この記事の重要ポイント】

  • 導入すべき人明確な目的(読書・仕事・休憩)を求めている人。
  • 目安広さは0.5畳〜1.5畳が最適。設置費用は最安で約10万円から、高品質なものでは50万円以上
  • 判断基準「流行りだから」は後悔の元。「そこで何をするか」がないと荷物置き場になる。

リビングの一角に設けられたおしゃれなヌックの施工事例。読書や休憩に最適な0.5畳〜1.5畳のおこもり空間。

InstagramなどのSNSで「#ヌック」「#おこもり空間」というハッシュタグを目にする機会が増えました。

秘密基地のような小さな居場所。「こんな素敵な場所が我が家にもあったら」と憧れを抱く一方で、冷静なあなたはこう考えているのではないでしょうか。

ヌックを導入して後悔しないか、将来物置にならないか悩んでいる人のイメージイラスト。

「これ、本当に使うのだろうか?」
「数年後には、ただの物置になってしまうのではないか?」

この記事では、住宅会社のプロとしての視点から、「ヌックは本当に必要か」という疑問に答え、もし導入するなら絶対に押さえておくべき「成功するヌックを作るための具体的ポイント」を解説します。

そもそもヌック(Nook)とは?なぜ今、必要とされるのか

言葉の意味と定義

ヌック(Nook)とは、「こぢんまりとした居心地の良い隠れ家のような空間」のことです。個室として完全に区切らず、LDKなどの一角に「ゆるやかに仕切られた居場所」を作るのが特徴です。

LDKの一角をゆるやかに仕切って作られたヌック。こぢんまりとした居心地の良い隠れ家のような空間。

「おこもり需要」と心理的安全性

なぜ今、ヌックが必要とされているのか。それは「家族とのつながりは保ちたいけれど、一人で没頭できる時間も欲しい」というニーズが高まっているからです。

広々としたLDKが主流の現代において、心理的な安全地帯(セーフティベース)となるヌックが、暮らしの質を高める機能として注目されています。

ヌックを設置するメリットとデメリット【後悔しないために】

ヌックの導入には、「第3の居場所ができる」というメリットと、「コスト増・物置化のリスク」というデメリットがあります。これらを天秤にかけて判断することが重要です。

【メリット】LDKに「居場所」の選択肢が増える

最大のメリットは、リビングのソファやダイニングチェア以外に「第3の居場所」が生まれることです。
同じ空間にいながら互いに干渉しすぎない適度な距離感を保てます。また、あえて天井を低くしたり囲まれ感を出したりすることで、広いリビングでは得られない安心感を得られます。

【デメリット】建築コストとデッドスペース化のリスク

デメリットは明確です。床面積が増えれば建築費用は上がります
また、最も恐れるべきは「活用されずに物置化すること」です。目的があやふやなまま作ると、洗濯物の一時置き場になってしまい、せっかくの空間が台無しになります。

▼ ヌック導入の比較検討表

項目 メリット デメリット
空間の質 LDKにメリハリが生まれ、「個」のスペースが確保できる。 使い方を想定しないと、無駄な空間になる。
家族関係 同じ空間にいながら適度な距離感を保てる。 こもりきりになるとコミュニケーションが希薄になる可能性も。
コスト 階段下などを活用すればコスト増は抑えられる。 追加工事により、10〜50万円程度のコストアップ。
温熱環境 小さな空間なので、適度なこもり感がある。 窓辺の場合、断熱性能が低いと「夏暑く冬寒い」場所になる。

あなたの家にヌックは必要?失敗しないためのチェックリスト

ヌックが必要かどうかは、ライフスタイルと価値観に大きく依存します。以下のチェックリストで、ご自身の要望を整理してみてください。

ヌック必要性チェックリスト

□ 家族と同じ部屋にいたいが、テレビの音などを気にせず読書やスマホに集中したい。

□ リビングのソファは家族に占領されがちで、自分の定位置がないと感じる。

□ 完璧に整理整頓された空間よりも、多少の遊び心や隙間のある空間が好きだ。

□ 1〜2畳の収納を減らしてでも、くつろぎのスペースを優先したい。

□ 掃除機をかける手間が多少増えても、インテリアを楽しみたい。

これらに多く当てはまる場合、あなたにとってヌックは「生活の質を上げる必要な機能」である可能性が高いと言えます。


【重要】快適なヌックを作るための5つの設計ポイント

「使われるヌック」にするために重要な設計ポイントは、以下の5つです。

  1. 広さは1畳前後でコンパクトにする
  2. 用途に合わせて奥行きを決める
  3. 窓辺なら断熱性能を最優先する
  4. 照明と電源計画を忘れない
  5. 素材を変えて特別感を出す

1. 広さは「おこもり感」重視でコンパクトに

ヌックの最適な広さは0.5畳〜1.5畳。天井を低くしておこもり感を演出した設計イメージ。

ヌックにおいて「大は小を兼ねる」は通用しません。広すぎると落ち着かない空間になってしまいます。

推奨サイズは、0.5畳(約90cm×90cm)〜1.5畳程度です。

人間は本能的に狭い場所に囲まれると安心感を覚えます。あえて天井高を下げたり(通常240cmを210cm程度に)、床の高さを変えることで、物理的な広さ以上の「特別な空間」を演出できます。

2. 用途に合わせた「奥行き」の設定

ヌックの用途別奥行き目安。座るなら45cm、あぐらなら60cm、寝転ぶなら70cm以上必要。

ベンチとして使う場合、どのような姿勢で過ごすかによって必要な「奥行き」が異なります。

  • 座って読書をする:奥行き45cm〜50cm(一般的な椅子サイズ)
  • あぐらをかく・体育座り:奥行き60cm以上
  • ゴロンと寝転ぶ:奥行き70cm以上(シングルベッドより少し狭い程度)

「ただ座るだけ」なのか「寝転びたいのか」を明確に計画しましょう。

3. 「断熱性能」が居心地を決定づける

窓辺のヌック(ウィンドウ・ヌック)を作る場合、住宅の断熱・気密性能が低いと、そこは「夏は灼熱、冬は極寒」の場所になります。

窓辺にヌックを作るなら、樹脂サッシやトリプルガラスなど、高断熱な窓を採用することが「必要不可欠」です。性能不足だと、冬場は結露する物置になってしまいます。

4. 照明とコンセント計画を忘れない

コンセント。

ヌックは壁に囲まれているため、LDKの主照明が届きにくい場合があります。手元を照らすブラケットライトや、調光機能付きの照明が必要です。

また、コンセント(電源)と通信環境は必須です。

  • スマホやタブレット充電用のコンセント(USBポート付きが便利)
  • Wi-Fiが届きにくい場所なら、メッシュWi-Fi等の対策も検討

コンセントは足元ではなく、座ったまま手の届く位置に設置するのが鉄則です。

5. 素材感で「特別感」を演出する

LDKと素材を変えることで、視覚的なゾーニング(区分け)を行い、「スイッチが切り替わる場所」にします。

  • 壁の一面だけアクセントクロスにする
  • 天井を木張りにする
  • 床をカーペット敷きや畳にする

ヌックの代表的なスタイルと間取りアイデア

ヌックには主に3つのスタイルがあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

スタイル 主な特徴 コスト感 おすすめの用途
階段下ヌック デッドスペース活用型。おこもり感が強い。 ◎ (低い)
構造を活用するため安価
子供の秘密基地
ペットスペース
窓辺ヌック 開放的で明るい。断熱性能が重要。 ○ (中〜高)
断熱窓の費用が必要
日向ぼっこ
コーヒータイム
リーディングヌック 本棚と一体化。読書専用スペース。 △ (中)
造作家具費用がかかる
読書
没頭する作業

階段下ヌック(デッドスペース活用型)

階段下のデッドスペースを有効活用したヌック。コストを抑えつつ秘密基地のような空間を実現。

階段下のデッドスペースを活用するため、床面積を増やさずに導入できる合理的なプランです。天井が斜めに下がる形状が独特の「おこもり感」を生み出し、お子様の秘密基地にも最適です。

窓辺のベンチヌック(ウィンドウシート)

窓辺に造作ベンチを設置したウィンドウシート型のヌック。下部は収納として活用可能。断熱対策が重要。

海外で人気のスタイル。外の景色を眺めながら過ごせます。ベンチ下を引き出し収納にすれば、リビングに散らかりがちなブランケットやおもちゃの収納場所としても重宝します。

リーディングヌック(おこもり型)

壁面の本棚とベンチが一体化した読書専用のリーディングヌック。本好きのための造作スペース。

壁厚を利用して本棚を作り、その中に座れるスペースをくり抜くスタイルです。「本を読む」という目的が明確なため、読書好きの方には最も活用頻度が高くなるプランです。


よくある質問(FAQ)

Q1. ヌックを作るにはどのくらいの費用がかかりますか?

A. おおよそ最安で約10万円から、高品質なものでは50万円以上が目安です。
造作ベンチ、照明、内装仕上げを含む一般的な追加費用です。階段下などを利用してシンプルに作れば10万円前後に抑えることも可能ですが、こだわった造作家具を入れると高くなります。

Q2. ヌックは何畳くらいの広さが必要ですか?

A. 0.5畳〜2畳程度が一般的です。
大人が座ってくつろぐなら1畳(約90cm×180cm)あれば十分です。広すぎると「普通の部屋」になってしまい、ヌック特有の安心感が薄れるため、あえて狭く作るのがコツです。

Q3. リフォームやリノベーションで後からヌックを作れますか?

A. はい、可能です。
押し入れの改造や、リビングの一角に壁を立てることで実現できます。ただし、窓辺に作る場合は寒さ対策として内窓設置などの「断熱改修」もセットで行うことを強くおすすめします。

Q4. ヌックの下は収納にできますか?

A. はい、収納として有効活用できます。
ベンチの座面下を引き出しやキャスター付き収納にするプランは非常に人気です。リビングの小物を隠せるため、収納不足の解消にもつながります。

Q5. ヌックに扉をつけることはできますか?

A. 設置可能ですが、おすすめしません。
扉で完全に閉め切ると「個室(書斎)」になってしまい、家族の気配を感じるヌックの良さが消えてしまいます。仕切りたい場合は、ロールスクリーンやアールの垂れ壁などで視覚的に区切る程度が最適です。


まとめ:ヌックは「何をする場所か」を決めてから採用しよう

「ヌックが必要か」という問いへの答えは、あなたの家族がそこで「どんな時間を過ごしたいか」によって決まります。

目的を持って設計されたヌックは、日々の暮らしに心のゆとりと彩りを与えてくれる、かけがえのない場所になります。

【ヌック導入を成功させるためのフロー】

  1. 目的の明確化:読書?昼寝?子供の遊び場?
  2. 優先順位の決定:収納や広さよりも優先度が高いか?
  3. 具体的な設計:サイズ、断熱、照明、コンセントを計画する。

もし、「ヌックを取り入れたいけれど、広さが足りるか心配」「どのくらいのサイズ感がよいのか体感したい」と思われたら、ぜひ一度モデルハウスへお越しください。

あなただけの特別な居場所づくりを、私たちが全力でサポートいたします。

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